「NIGHT KIOSK」西日暮里、夜の待ち合わせ場所 グルメライナーノーツVOL.7

日暮里舎人ライナー「西日暮里駅」より徒歩3分の「NIGHT KIOSK」をご紹介します。
この連載は、「トネリライナーノーツ」サポーターズのメンバーが、日暮里舎人ライナー地域を中心とした足立区・荒川区の飲食店の中で、個人的にオススメのお店を紹介する「グルメライナーノーツ」 です。
VOL.7となる今回は、足立区にあるお寺のコミュニティ「みんなの全學寺プロジェクト」主宰で、トネリライナーノーツ編集長の大島俊映が紹介者をつとめます。

NIGHT KIOSKの入口の階段
NIGHT KIOSKの入口の階段

美味さの先にあるもの

グルメライナーノーツを始めた当初から、私は記事を書くにあたって、自分に1つだけ制約を課している。普段から通っている、偏愛を伝えてもいいお店のみを書く。私にとって、自分の書いたグルメライナーノーツの記事は、お店へのラブレターだ。

その結果、うどんの「あかう」、居酒屋の「善」、イタリアンの「カノーヴァ」、ラーメンの「ひだまり」と、各ジャンルで心の底から美味いと思っている飲食店を紹介できた。どの記事においても、それぞれのお店との物語を描けたのではないだろうか。

そして、それらの記事を書いてきて、気が付いた。私にとっては、「美味い料理を誰が作っているか」が大切だという事に。書きたい気持ちが湧き上がってくるお店は、料理が美味いだけではないのだ。日暮里舎人ライナー地域で美味いと思う飲食店は他にも、ある。しかし、これまで記事にしてきた4つのお店と同じ熱量で書ける飲食店は、ない。

例えば、ひだまりのご主人とは、グルメライナーノーツの記事を書くまで、ほとんど喋った事がなかった。それでも、何年も通っているから、カウンターの向こう側でラーメンと向き合っている姿を、その都度で見てきた。料理を作っている人が見えるお店を、私は応援したい。美味さの先には、その料理を作っている人が必ずいるのだから。

NIGHT KIOSKの店内にある手作りマップ、地域のお店が分かる
NIGHT KIOSKの店内にある手作りマップ、地域のお店が分かる

「待ち合わせ場所」の作り方

舎人駅近くの住宅街にある私たちのお寺では、「ゼンガクジ フリー コーヒースタンド」という無料でスペシャリティコーヒーが飲める場所を、週に1、2回のペースでオープンしている。私たちのコーヒースタンドでは、美味しいコーヒーは“脇役”で、バリスタを中心としたお喋りの場が“主役”だ。だから、ここはカフェや喫茶店ではない。ましてや、一杯入魂で淹れる至高のコーヒーを提供する場所でもない。ゼンガクジ フリー コーヒースタンドは、「待ち合わせ場所」だ。

「待ち合わせ場所」にとっては、料理や飲み物を作って提供するのがメインではなく、お客さんの居場所を作るのが最も大切な仕事となる。そのため、「居場所を誰が作っているか」という要素が、そこに色濃く反映される。

私たちのコーヒースタンドで言えば、私の妻のむっちゃんを中心としたバリスタたち。彼女たちが、スペシャリティコーヒーを介して、お客さんと会話したりお客さん同士を繋げたりする事で、居心地の良い場所を作っている。極端な話、もし仮にコーヒースタンドのオープン中にコーヒー豆を切らしたとしても、お客さんたちが楽しくお喋りできていれば構わないとさえ考えている。

さて、私には、西日暮里に大好きな「待ち合わせ場所」がある。というか、最近になって出来た。日暮里舎人ライナー「西日暮里駅」より徒歩3分、JR西日暮里駅直結の商業施設「西日暮里スクランブル」の2階にある立ち呑み屋「NIGHT KIOSK(ナイトキオスク)」である。この居場所を作っているのが、女将の木下央さん(以下、なかばさん)だ。

木下央さん、手にはゴクゴクニシニッポリ
木下央さん、手にはゴクゴクニシニッポリ

NIGHT KIOSKのなかばさん

NIGHT KIOSKを立ち呑み屋(飲食店)と捉えるか、「待ち合わせ場所」と捉えるかで、紹介の仕方は大きく変わると思う。もちろん、ここでは後者として伝えていく。

この「待ち合わせ場所」の“脇役”は、クラフトビールだ。世界各国のクラフトビールが冷蔵庫に収まっている様は圧巻の一言。これだけの種類があれば、自分好みの銘柄を見つけるのも楽しいし、ビールの瓶や缶のデザインを眺めているだけでも面白い。

また、西日暮里スクランブルの1周年を記念して、埼玉県川口市のビール醸造所「星野製作所(麦)」が作ったビール「ゴクゴクニシニッポリ」も珠玉の1杯。ローリエを使用しているせいか、口当たりのほのかな甘さに特徴がありながらも、苦みが穏やかなので後味も良く、名前の通りゴクゴク飲めるビールだ。

それでは、NIGHT KIOSKの“主役”はなんだろうか?言うまでもなく、なかばさんが作っている居心地の良い場だ。

NIGHT KIOSKに行くと、馴染みのお客さんがなかばさんに楽しそうに喋りかけているのがいつもの光景。そうかと言って、初めてのお客さんが来たら、なかばさんがその人を放っておくことはない。店内にあるクラフトビールの説明をしたり、お店のことを話したりして、店内の空気にその人を馴染ませていく。カップルや複数人で来たお客さんは放っておいてくれるし、パソコンを開いて仕事をしている人だっている。

そう、なかばさんはお客さんとの距離の取り方が絶妙なのだ。その結果、誰にとっても居心地の良い場所が出来上がっている。そして、その居場所を土台に、お客さん同士が緩く繋がっていく。私自身も、NIGHT KIOSKでご縁をいただいて挨拶するようになった常連さんもいれば、別のお店に飲みに行ったことがある常連さんもいる。

それに、NIGHT KIOSKのお客さんは、素敵な人たちばかりだ。今のところ、他人に迷惑をかける酔っ払いに会った事はないし、何気ない会話にも相手への思いやりがある。地域などで面白い活動をしている人が多いのは、なかばさんの人柄がそういう人たちを引き寄せているのだろう。

最後に告知を。西日暮里スクランブルの1周年に合わせて、2020年12月12日の昼、NIGHT KIOSKにて、ゼンガクジ フリー コーヒースタンドが出張オープン(注1)する。「待ち合わせ場所」同士のコラボイベントだ。

この原稿を書いているのが12月10日、新型コロナウイルス流行の影響もあって、イベントに来てもらうのは難しいかもしれない。それでも、いつの日か、これを読んでくれたあなたと、NIGHT KIOSKで待ち合わせをするのを楽しみにしている。その時は、クラフトビールを飲みながら、なかばさんを交えてお喋りをしよう。

注1)NIGHT KIOSKでのイベント詳細はこちら

お客さんと談笑するなかばさん
お客さんと談笑するなかばさん

NIGHT KIOSK
住所
東京都荒川区西日暮里5-21-1
ホームページ(西日暮里スクランブル)
https://scramblebdg.com/
Instagram
https://www.instagram.com/nightkiosk_/

「トネリライナーノーツ」編集長 大島俊映

文・撮影=大島俊映(「トネリライナーノーツ」編集長)
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