Team NIGIRIMUSUBI Gift vol.7 「AMAO ケア元気」小元佳祐さん

Team NIGIRIMUSUBI Giftにぎりむすびギフト

地域の子どもたちへの食事支援プロジェクト「にぎりむすびギフト」では、足立区東伊興のおにぎり屋「にぎりむすび」の栄養満点のお弁当を、地域の子ども団体(NPO法人や子ども食堂)を通じて、それを必要としている子どもたちに無料で継続して届けています。この連載は、「にぎりむすびギフト」に関わる人たちの物語を描く「Team NIGIRIMUSUBI Gift」です。

今回のvol.7では、足立区五反野のケアマネジャー事務所「ケア元気」を運営する株式会社「AMAO」代表の小元佳祐さんを取材しました。「AMAO ケア元気」は、2021年9月に実施した「にぎりむすびギフト」のクラウドファンディングにおいて、6ヶ月スポンサーの支援を行っています。聞き手は、トネリライナーノーツ編集長で、「にぎりむすびギフト」前主宰の大島俊映が務めます。
(取材日:2022年4月11日)

「にぎりむすびギフト」についてはこちら

足立区五反野のケアマネジャー事務所「ケア元気」を運営する株式会社「AMAO」代表の小元佳祐さん
足立区五反野のケアマネジャー事務所「ケア元気」を運営する株式会社「AMAO」代表の小元佳祐さん

「AMAO ケア元気」の小元佳祐さん

1984年1月生まれ、東京都足立区出身の38歳。愛称は「こもとさん」。
東京介護福祉専門学校を卒業後、介護施設での実務経験を経て、介護者の相談や心身の状況等に応じた適切な介護保険サービスが利用できるように調整などを行う「ケアマネジャー」の資格を取得。子どもの誕生を機に、足立区内の居宅介護支援事業所に転職してケアマネジャーとして研鑽を積む。
2020年に独立、株式会社「AMAO」の代表として足立区五反野のケアマネジャー事務所「ケア元気」を運営する傍ら、SNSでの発信や地域活動に力を入れている。

「ケア元気」の近所の喫茶店で取材しました

介護の仕事に就いた理由

――ケアマネジャーという仕事に就いた経緯を聞いてもいいですか?

こもとさん まず介護職を目指したのは、高校生の時に工業高校に通っていたので、周りは就職をする人が多かったんですけど、僕は手先が不器用で。ネジをなめちゃったり、はんだこてが繋がっちゃったりという事があって、このまま社会に出たら大変な事になっちゃうと思ったんです(笑)それで、工業とは違う仕事をしたいなと思っていたら、介護という仕事を知って、それで高校の進路相談で介護福祉の専門学校を紹介してもらって、そこに進学しました。

――その専門学校を出ると、ケアマネジャーになれるんですか?

こもとさん いえ、おむつを交換したりご飯やお風呂などの日常的なお手伝いをしたりする一般的な介護士になります。その当時、そこからケアマネジャーになるには、介護士として実務経験を5年積んで、ケアマネジャーになるための試験に合格しないといけません。自分の場合は、介護士の仕事をしながらケアマネジャーの資格自体は取っていたんですけど、その後に子どもが生まれた時、当時の介護士としての仕事が夜勤や土日出勤もあって「このままだと、子どもの運動会やイベントに参加できないな」と思って、友人の紹介でケアマネジャーとして働ける居宅介護支援事業所に転職しました。

ケアマネジャーの仕事について話すこもとさん
ケアマネジャーの仕事について話すこもとさん

――高校卒業の時に、今のように仕事をしている姿は想像していましたか?

こもとさん 全然想像してないです(笑)介護士としてやっていけるのかも分からなかったですからね。ただ、人と接する事はずっと好きでした。学生時代、スーパーのレジ打ちのバイトをしていて「接客業って本当に楽しいな」と思って、そこに介護の仕事という選択肢があったので、将来どうこうよりも「介護の仕事をやってみたいな」という感じで、介護士になるという一択でしたね。

管理職を経験して独立へ

――ケアマネジャーとして転職してから、数年を経て2020年に五反野で独立されるわけですけれど、これはなにがキッカケだったんですか?

こもとさん 独立する前の職場では、最終的に所長というポジションになったんですけど、そのために外に出づらくなってしまったんです。これは自分で自分を縛ってしまったというか、外に出るなと誰かに言われたわけでもないのに、管理職として事務所にいてみんなを見守らないといけないという感覚になってしまって。そうすると、自分の良さが出ないし、それだったら自分で好きにやった方がいいなと思いました。

「ケア元気」のある五反野で撮影
「ケア元気」のある五反野で撮影

――自分の良さって、なんだと思いますか?

こもとさん コミュニケーション力ですね。人と接すると仲良くなる事が多いですし。だからこそ、外に出なくなったらそれを活かす場がないという事なので、それは自分でももったいないと思ったし、それで独立して「ケア元気」を始める事にしました。

――独立してみて、どうでしたか?

こもとさん ケアマネジャーって、世の中的には足りないんですけど、「ケア元気」で働きたいっていうスタッフが集まってきてくれたのは、すごくありがたかったですね。独立して2年も経たないうちに、5人、6人と働いてくれていますから。それと、ケアマネジャーって1人1人が自分で解決したり決断したりする事が多くて、僕自身も把握しきれていない部分がたくさんあるし、信頼できるメンバーが集まっているので、代表をやっているという感覚がないです。もちろん、なにか問題が起きたら謝罪する覚悟はあるんですけど、働いているみんなが本当に素晴らしいから成り立っているんだと思います。

「足立区で1番の有名人になりたい」

――ご自身と一般的なケアマネジャーはなにが違うと思いますか?

こもとさん SNSを使って毎日発信しているところですかね。InstagramからFacebookとTwitterを連動させて投稿していて、また、Instagramを補足するような形で音声SNSのstand.fmをやっています。そうした発信をするのは、僕がよく言っている「足立区で1番の有名人になりたい」という想いに繋がっているかもしれません。

――よく言われていますよね。

こもとさん 施設内で働く介護士から在宅のケアマネジャーに変わったタイミングに「世の中ってこんなに広かったんだ」ってまず気付いたんですよね。それで、地元の足立区で出会いがたくさんある中で働いていて、なにかを還元したいなと思った時に、これからの高齢化社会で介護に困っている人が自分に相談しやすくなるには、僕が有名になればいいと思って。それと、最近では介護の業界に限らず色んな活動をしている人と出会っていくうちに、出会いの幅を広げていくために自分のレベルを上げていこうという刺激にもなっています。

自らの活動を熱くお話してくれました
自らの活動を熱くお話してくれました

――こもとさんは五反野でゴミ拾いを毎月第3水曜に開催していたり、「ケアマネジャーを紡ぐ会」という組織を幹部として運営していたりもしますけど、そういった想いでやられているんですね。

こもとさん そうですね。その延長線上で、飲み屋にもいずれはチャレンジしたいですね。できれば、五反野で。良い場所と良い人がいればですけど。飲食店をしたいというよりは、人が集まれる場所がほしいです。人と人の繋がりを作れる場所が良いし、僕は料理が作れるわけではないので(笑)、スナックかな。

「にぎりむすびギフト」について、こもとさんのコメント

「スポンサーとして支援してみて、支援したお金が、いつ、どこの子ども団体に届けられたかを毎回お知らせしてくれて、それがめちゃくちゃ嬉しいですね。支援したのが世の中のためになっているんだなって実感できますし、払っておしまいじゃないっていうのが良いですし、衝撃を受けました。それと、子どもに届けられるのが、おにぎりだけじゃない事にも驚きました(笑)」

「にぎりむすびギフト」の良さを力説してくれたこもとさん
「にぎりむすびギフト」の良さを力説してくれたこもとさん

AMAO ケア元気
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stand.fm
https://stand.fm/channels/609bdc45b82bc5e1f3d7cc21

「Team NIGIRIMUSUBI Gift」執筆者の大島俊映
「Team NIGIRIMUSUBI Gift」取材者の大島俊映

取材・撮影=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
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