地域の子どもたちへの食事支援プロジェクト「にぎりむすびギフト」では、足立区東伊興のおにぎり屋「にぎりむすび」の栄養満点のお弁当を、地域の子ども団体(NPO法人や子ども食堂)を通じて、それを必要としている子どもたちに無料で継続して届けています。この連載は、「にぎりむすびギフト」に関わる人たちの物語を描く「Team NIGIRIMUSUBI Gift」です。
今回のvol.3では、足立区西新井にある「ギャラクシティ」を拠点に活動する子ども食堂「あだち子ども食堂 たべるば」の運営メンバーである小宮嘉友さんを取材しました。「あだち子ども食堂 たべるば」は、このプロジェクトにおいて「にぎりむすびギフトランナー」として、コロナ禍で困っている子どもがいる家庭に「にぎりむすび」が作った食事を届けています。聞き手は、トネリライナーノーツ編集長で、「にぎりむすびギフト」主宰の大島俊映が務めます。
(取材日:2021年7月16日)
「あだち子ども食堂 たべるば」の小宮嘉友さん
2001年5月生まれ、足立区出身の20歳。愛称は「よしともくん」もしくは「道明寺」。
児童心理学を学ぶ大学生で、足立区西新井のギャラクシティを拠点に活動する「あだち子ども食堂 たべるば」の立ち上げメンバーの1人。
将来は社会福祉士の資格を取って、児童・生徒が生活の中で抱えているいろいろな問題の解決を図るスクールソーシャルワーカーになるのが目標。
たべるばでのボランティア活動
――たべるばのボランティアを始めたキッカケを聞いていいですか?
よしともくん あやさん(たべるばの代表の川野礼さん)とは、NPOの運営している塾で、先生と生徒だったんです。中学3年から、勉強を教えてもらっている関係で。それで、高校1年の時に、あやさんが「子ども食堂を開くから、手伝いに来ない?」と誘われて。一応、創立メンバーです。
――そうなんですね。
よしともくん たべるばが始まった時は4人しかいなくて、僕以外の3人は30代。その事を手伝いに行って初めて知りました(笑)当初は、工作などの子どもたちの遊び相手をしていましたね。
――現在は、たべるばでどんな事をしているんですか?
よしともくん 僕主体で企画したり、人前に立って司会したりというのは、やってはみたんですけど、あまり得意ではなくて。今は、不登校気味な子がいるので、その子を朝迎えに行って一緒に学校に行ったり、にぎりむすびギフトの食事を子どもの家まで届けたりしています。
「たべるばのボランティアは、家族みたい(よしともくん)」
――にぎりむすびギフトの事は後ほど聞きますけど、よしともくんはたべるばのボランティアをしていて、どんな時にやりがいを感じますか?
よしともくん やっぱり、信頼されている思うと、やりがいを感じます。あやさんとか、周りのスタッフとかから。本当にアットホームで、たべるばのボランティアは、家族みたいです。
――よしともくんにとって、あやさんはどんな存在ですか?
よしともくん 恩師ですね。僕もあやさんを頼りにしているし、あやさんも僕を頼りにしてくれています。だから、大学を卒業して社会人になっても、たべるばには関わっていきたいです。
――たべるばでの目標ってありますか?
よしともくん たべるばに来てくれている子どもたちが成長して、今度は「来てくれる」ではなく、「手伝ってくれる」ようになったら良いと思いますし、そうなるような関係を築きたいです。
にぎりむすびギフトを通じて、子どもとのコミュニケーションを図る
――にぎりむすびギフトで食事を届けてみて、どうですか?
よしともくん (取材の時点で)届けている何軒かのうちの1軒は梅島なので、この暑さの中を自転車で往復するのが本当に大変で(笑)あやさんには、車を出してくれるボランティアの方を探すようにお願いしています。それと、たべるばの場合は、一軒ずつ回って、子どもに直接手渡ししていますね。
――その時はどんな事を心がけていますか?
よしともくん 行って渡してバイバイではなく、その子とコミュニケーションを取りながら、子ども達の生活に心配なところがないかは見ます。それで、もし気になるところがあれば、あやさんに伝えています。今届けている子どもたちの年齢は小学生から中学生までバラバラなんですけど、もっと仲良くなりたいです。
――正直、そうやって届けているのは、私も知りませんでした。
よしともくん コミュニケーションは大事なんですよ。地域のスクールソーシャルワーカーからの依頼で、僕が食事を届け始めた子もいます。その子とは食事を届けた時に初めて会いましたが、にぎりむすびギフトを通じて関係を築いて、たべるばに来てくれるようになったら良いなと思っています。
「にぎりむすびギフト」について、よしともくんのコメント
「にぎりむすびギフトで届けている食事は、“バトン”ですね。にぎりむすびで作ってくれた食事を、僕が受け取って、子どもたちに繋いでいるから。そんなバトンを受け取った子どもたちが、家の外に出てくれたらなと思います。たべるばや、にぎりむすびに遊びに来てくれるようになれば、それは嬉しいですね」
あだち子ども食堂 たべるば
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取材・撮影=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
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