「東京を出て、海と生きる拠点を探す旅へ」愛の生徒手帳 2ページ目

日暮里舎人ライナーのユーザーで、五感を使った自然あそび体験を通じて自然と自分を好きになるきっかけを届ける団体「ちきゅうの学校」生徒会長の小笠原愛さんが、今の想いを届けるエッセイが「愛の生徒手帳」です。
2ページ目は、「東京を出て、海と生きる拠点を探す旅へ」という内容でお話をしてくれました。聞き手は、トネリライナーノーツ編集長の大島俊映です。
(取材日:2021年4月15日)

手前が「ちきゅうの学校」生徒会長の小笠原愛さん
手前が「ちきゅうの学校」生徒会長の小笠原愛さん

「ちきゅうの学校」の小笠原愛さん(以下、愛さん)が、“旅に出る”。そう聞きつけたのは、ごく最近の事だ。「愛さんらしいな」と思いつつ、どんな想いからその行動に至ったのかを掘り下げて記事にしたら面白そうだと思い、彼女にそれを提案、オンラインでの取材に至った。愛さんによる旅の物語、その一端をお届けする。

“自分たちのやりたい事が叶えられる住みたい場所”を探す旅に出よう(愛さん)

――まず旅に出ようと思ったキッカケはなんですか?

愛さん 去年から、東京ではない違う場所に拠点を持ちたいなと思い始めていて、最初は奄美大島がその候補でした。奄美大島に友達が賃貸で住んでいる家があって、彼女がそこを出る予定だったので、次に借りようとしていたんです。そこを拠点にやりたい事の妄想も色々と膨らんでいって、一緒に活動をするパートナーも誘って、色々と話が進んでいました。だけど、その家のオーナーの都合で、家を借りる話がなくなってしまって。

――そうでしたか

愛さん ただ、そうなってから誘っていたパートナーと話した時に、「やっぱり、どこか海と生きられる場所に住んでみたいよね」と。お互いの気持ちを確認できたので、「“自分たちのやりたい事が叶えられる住みたい場所”を探すための旅に出よう」みたいな感じで、今回の旅をスタートしました。

――なるほど。「東京ではない場所」というワードが出ましたが、なぜ東京ではない場所を拠点にしたいのですか?

愛さん 自然と共に暮らしたいからです。また、海の事を仕事にしているのも大きいですね。去年から魚突きを始めて、自分の力で食べ物を取るっていう事を通して、“生きる力”が欲しいなという風にも思っています。海がない都心で魚突きはできないので、そのスキルをアップするには、やはり海がないと。だから、この旅では、魚突きができそうな場所に、色々な知り合いを伝っていこうと考えています。

――そうすると、この旅のゴールは、拠点を見つけて、そこに住む事ですか?

愛さん そうですね。そこだけに住むかは分からないですけど、基地として多拠点で活動したいです。

富山県滑川のホタルイカ
富山県滑川のホタルイカ

楽しいっていう経験が、興味を持ち始めるキッカケ

――最初の旅先はどちらですか?

愛さん 車で移動して、昨日の夜中、富山県に着きました。滑川(なめりかわ)という場所で、ホタルイカが有名です。こちらに住んでいる友達がいて、気候や環境などの条件が揃うと、ホタルイカがビーチに湧いてくるのが見られて、しかも、それを網で掬って食べられると聞いています。「ちきゅうの学校」のプロジェクトとしても、その土地やその季節でしか味わえない遊びとか食材とかっていうのを、データとして集めていきたいなと思っているんです。

――そうなんですね。それは環境問題に対する知見を深める意味合いもありますか?

愛さん 直接的に環境問題にアプローチするというよりは、やはり自然を体感すると、ホタルイカだったらホタルイカ、海だったら海と、何かしらの自然に興味を持ち始めるキッカケを作っていけるからですね。楽しいとか、感動したとか、心が動く体験が、自然に興味を持ち始めるキッカケになると思うので、さまざまな“地球あそび”の体験を通して、自然環境に興味を持ってもらえたらいいなと。

――滑川では、海には毎日出るんですか?

愛さん 富山の海は水が相当冷たいみたいで、水温が 12 度ぐらいだと言っていました。なので、一応は海に入る予定で、道具は全て持ってきているんですけど 、魚突きが出来るかはまだ分かりません。

――魚突きというワードがよく出てきますが、その魅力ってなんですか?

愛さん やはり、自然に生かされているっていうのを、強く感じられる事ですね。例えば、肉を食べる事 1 つ取っても、その肉となる生き物を自分の手で絞めるっていう行為を、普段はしていません。けれど、普段から動物・植物の命を食事としていただいているわけです、実際は。普段の食事は「食べる」の部分だけが食事になってますが、自然界では「とる」事がその前に必ずあります。その「とる」行為を自らする事によって、命と命の対峙があり、「命をいただいている」と感じられるのが魅力です。

――なるほど

愛さん 魚突きだと、自分の手の中でまだ魚が動いているのを、息の根を止めないといけないわけです。その瞬間は、「ごめんね!」という気持ちがわいてくるのですが、それでもそれをしないと、生きていけないんですよね、本来は。動物が自分の命を維持するためには、やらないと。その事を実際に体験して、身体で、細胞レベルで、命の尊さを理解できるのが、魚突きの魅力です。

愛さんの海での活動の様子
愛さんの海での活動の様子

いかに枠を超えて、自分が望んでいる世界を、現実として生きていけるか

――この拠点を探す旅では、何ヶ所ぐらいに行く予定ですか?

愛さん 特に決めてないですね。今のところ、6 月までの予定は決まっていて、海がある島などで、すでに繋がりがあって、何かをお手伝いする代わりに、住む場所を提供してもらえたり、ごはんを提供してもらえたりするという条件のところに、行き先を決めている感じです。

――活動がバージョンアップしていますね

愛さん この旅の目的っていうのは、もちろん拠点探しっていうのがありますけど、本質的なところで言うと、「いかに枠を超えて、自分が望んでいる世界を、現実として生きていけるか」を、自分自身が知りたいんです。自分の固定概念というか、今生きている世界が当たり前になると、そこを飛び出すのが怖くなってくるじゃないですか。でも、枠を飛び越えて、その先でやっていけるのか、そんな人生実験も兼ねています。

――本当に面白いですね

愛さん ホステスを生業としていた20代は、夜の世界を卒業して自分にしかできない事をやってみたいと頭の片隅で思っているのに、心の声に気づかないフリをしていたんです。何ができるかも分からないし、現状を手放して変化するのも怖いし、挑戦して失敗したら恥ずかしいし。でも、昔の自分に、今の私がもし何かを伝えられるならば、なにか「本当にやってみたい!」という事に対して、耳を澄ましてみてね、と言いたいですね 。別に仕事じゃなくても、遊びでも何でもいいから、まず一歩でも行動に移してね、と。これからも「本当にやってみたい!」という事に対して、素直に行動していけるように、常識の枠に囚われずに進んでいきたいと思っています。

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「愛の生徒手帳」話し手の小笠原愛

話し手=小笠原愛(トネリライナーノーツ サポーターズ)
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