「プラス・マイナス思考を超越する“太極的思考”」もてき式コラム#3

日暮里舎人ライナー「西日暮里駅」より徒歩7分にあるフィットネススタジオ「studio景」のオーナートレーナーである、茂木慧太さん。
競泳でインカレ優勝やロンドンオリンピック最終選考進出などの実績を残し、現在は太極拳の道を邁進するそんな彼が、その時のインスピレーションで書きたいことを書くのが「もてき式コラム」です。
#3では、「プラス・マイナス思考を超越する“太極的思考”」をテーマに、コラムを寄稿してくれました。

茂木慧太さんによる演武
茂木慧太さんによる演武

こんにちは。トネリライナーノーツで連載させて頂いている、西日暮里にある「studio景」の茂木慧太(もてきけいた)と申します。

「あなたはプラス思考ですか?マイナス思考ですか?」と聞くと、ほとんどの人が「どちらかと言うとマイナス思考ですね」と答える事が多いように感じます。そして、「どうしたらプラス思考になれるでしょうか?」と質問が続く事もあります。世間では「プラス思考は良い!」というイメージが日々植え付けられている一方、「マイナス思考だと、ストレスが溜まりやすくて健康被害が出たり、仕事の効率も下がったりする」というような、マイナス思考の人に追い討ちをかける事も言われています。

今回、僕のコラムでは、世間一般の人が盲目的に持っている「プラス思考だけが良い」というイメージを打ち壊して、マイナス思考の人でも根拠のある自信が持てるようになる「太極的思考」について書いてみようと思います。

プラス思考とマイナス思考

僕が内弟子として修行している中国武術、特に太極拳では「陰と陽のバランス」を非常に重視します。陰陽は宇宙の万物を作り支配する、相反する性質を持つ気の事です。例えば、陰には月・秋・女・偶数、そして、マイナスが、陽には日・春・男・奇数、そして、プラスがあります。男だけや女だけでは次の世代に命を繋げられないように、長く続くものは全て、陰と陽のように相反する性質を持つ気によるバランスの元に成り立っています。

この陰陽は思考でも同じで、世間では「プラス思考は良い!」という事になっていますが、辛辣な言い方をさせていただくと「プラス思考しかできない能天気な考え方だけでは、リスクを回避できない」という事が起こり得ます。リスクは放置すればするほど危険度が増してタチの悪いものになります。火災と同じで、初期の頃に消し止めておけば僅かな被害と少ない労力で済むものですが、火が大きくなればなるほど簡単には消えないですし、被害も大きくなってしまいます。だから、能天気に「俺は大丈夫!」と思い込むだけのプラス思考は良くないのです。

では、マイナス思考が良いのか?というと、一般的に認識されているマイナス思考は良くありません。実際には起こらない事に対して過剰に反応したり、みんなと同じじゃないとダメと考えて周囲との同調を意識し過ぎたり。本来ならば不安になる必要のない事まで心配してしまっているのは、良くないマイナス思考です。

しかし、武術的な視点から見ると、マイナス思考というのは必ずしも悪いことばかりではありません。

無鉄砲な蛮勇は、危険を上手く認識することができません。敵の戦力を把握する前から真っ先に飛び込んでしまい、敵の餌食になってしまいます。銃も刀もない原始時代に、屈強な野生動物がいる自然界でか弱い人類が生き残ってこられたのも、他の動物よりも臆病で用心深かったからだと言われています。

根拠のある自信

よく自己啓発本などで「自分はできる!自分はできる!」と暗示をかけると良いと言われていたりしますが、暗示をかけた結果として冷静さを欠いた根拠のない自信が出てきてしまうと、それはそれで厄介です。

根拠のない自信を持つ事が良い方向に働く事もあるのは事実ではあります。それでもやはり、プラスの要素もマイナスの要素も検討した上で、自分の持ち味を冷静に分析して戦略を立てて、根拠のある自信を持った方が、何事も安全に成功に近付ける事ができると思います。

そして、根拠のある自信を持てるようになるためには、感情を律する事が大切です。

仏教用語に「正見(しょうけん)」という言葉があります。「あるがままに見る」とか「私情を挟まずに正しく見る」とか、そんな意味です。人は物事を判断する時に、様々な感情を無意識のうちに混入させてしまっています。好きな女優を街で見かけて興奮したり、電車の遅延が発生してイライラしたり、お気に入りのコップを割って悲しんでいたりすると、その時の判断はどうしても普段より冷静さを欠いたものになってしまいます。

感情をとにかく律して、マイナス思考とプラス思考の両方の恩恵に与る事のできる「太極的思考」でいる事が、ベストな状態だと考えています。

太極的思考を持つには

それでは、どうしたら感情を律して、「太極的思考」を持つことができるのでしょうか。感情との付き合い方を書き出したら、それこそ、このコラムの文章の何十倍にもなってしまいますので、ここでは簡単にできて効果絶大の方法を1つだけ紹介したいと思います。

負の感情に支配されそうになった時や、感情的になって冷静さを無くしてしまっていると感じた時は、1分間深呼吸をしましょう。しっかり時計を見ながら、正確に1分という時間を感じるのがポイントです。

「な〜んだ、そんな事か。知っているよ」と思った方が多いと思います。それでは逆に、そう思われた方に僕から質問します。

「すでに知っていたその方法を実際にやっていましたか?」

知っているだけではダメなのです。実践する事が大事であり、ほとんどの人が知っているだけでそれを活用できていないのです。万物の天才レオナルド・ダヴィンチも「知るだけでは不十分である。活用しなければならない」という名言を残しています。

これからの時代、情報化社会がますます進み世界中に情報が溢れる事でしょう。そんな情報の洪水の中で、知っているだけの人の価値は下がっていくと予想されます。そして、活用して実践している人の価値はどんどん上がると思います。

このコラムを読んで深呼吸を活用して感情を律した人が1人でも増えることを、また、そんな人が「太極的思考」で素晴らしい人生を送ってくれる事を願っています。

studio景
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「もてき式コラム」執筆者の茂木慧太
「もてき式コラム」執筆者の茂木慧太

文=茂木慧太(「トネリライナーノーツ」サポーターズ)
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