「OUCHI」足立区西新井にある就労継続支援B型カフェ 【ダチアダチ dachi.8】

ダチアダチ

ダチアダチ」は、足立区・荒川区の物語を届けるメディア「トネリライナーノーツ」が応援する企業や団体を紹介する企画です。

OUCHI CAFE・KITCHENのサービス管理責任者の石坂康彦さん(左から2人目)と職員のみなさん
OUCHI CAFE・KITCHENのサービス管理責任者の石坂康彦さん(左から2人目)と職員のみなさん

dachi.8では、足立区西新井にある就労継続支援B型事業所が運営するカフェ「OUCHI」を紹介します。

OUCHI

「OUCHI」は、足立区西新井にある、精神障害を持つ人たちが地域に戻るためのサポートをする施設で、「平成医療福祉グループ」が運営しています。

「OUCHI」の外観
「OUCHI」の外観

「いつでも、誰でも、帰れる場所」を理念に、精神科病院を退院後の一時的な住居としてのグループホーム、就労訓練・就労場所としてのお菓子・パン工房とカフェ、ピアサポートや当事者研究などの各種ミーティングを行うための交流スペースの機能を持っています。

「OUCHI」で働く人たち
「OUCHI」で働く人たち

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「OUCHI」のストーリー

「OUCHI」に関する質問に、OUCHI CAFE・KITCHENのサービス管理責任者の石坂康彦さんが回答します。

OUCHI CAFE・KITCHENのサービス管理責任者の石坂康彦さん(撮影:2022年6月)
OUCHI CAFE・KITCHENのサービス管理責任者の石坂康彦さん(撮影:2022年6月)

――どんな想いから「OUCHI」が始まりましたか?

石坂さん 精神疾患のある方が、自分らしく地域で生きて、暮らしていくために必要なことを提供する場として「OUCHI」はスタートしました。1つの施設の中に社会参加を促すための就労支援B型事業所と、自立した生活を送るための訓練機能を持ったグループホーム、両方併せて「OUCHI」となっています。

今の日本の精神医療は、長期入院が非常に多いんですね。退院したとしても、彼らが地域で安心して生活するための受け皿となり得る、社会的資源があまりにも乏しすぎる。それを変えなければならない!そういう想いが原点にあります。

――「OUCHI」が大切にしている事はありますか?

石坂さん  病いがあるなしに関わらず、誰もがいつでも気軽に立ち寄れる居場所であることを大切にしています。「OUCHI」が作業をするだけの場である場合、関わる人は限定されてしまいますが、カフェという形態であることで、“誰もがいつでも気軽に立ち寄れる”を可能にしているんです。

「OUCHI」でのイベント「Do曜日!」の様子
「OUCHI」でのイベント「Do曜日!」の様子

――どんな仲間と「OUCHI」の活動を行っていますか?

石坂さん まずは何より「OUCHI」の利用者さんですね。そして利用者さんを支える「OUCHI」の運営元となる私たち「平成医療福祉グループ」の職員さんたち。また、関わってくださる地域の皆さん、「OUCHI」の理念や商品のコンセプトに共感してくださり、ご来店くださったり商品をご購入くださるお客さまや、お取引先の皆さんも“仲間”であると考えています。当然、トネリライナーノーツの存在も、そのうちの1つです。

――どんな人と繋がると「OUCHI」の活動が前進しますか?

石坂さん 精神疾患のある方々が、地域の中で生活していくために必要な支援の形や人との繋がりを追求するという「OUCHI」の取り組みそのものは、全国の精神医療・福祉に関わる人たちにとって、関心の高い動きなのではないかと思っています。 そういった専門的な領域にいらっしゃる方は勿論、より多様な背景の方々、あらゆる世代の方々との繋がりを広げていきたいですし、「OUCHIって、なんかいいよね!」と思ってくださる方を増やしていったその先に、地域の皆さんに支えられながら成長していく「OUCHI」のような居場所が、全国にたくさんできるといいなと思っています。

「OUCHI」の商品
「OUCHI」の商品

――「OUCHI」のこれまでの実績があれば教えてもらえますか?

石坂さん コロナ禍の2019年4月に開設した「OUCHI」は、地域に開きたいけれど開けない、人と繋がりたいのに繋がれない!というジレンマを抱えつつも、諦めず地域の皆さんのご協力のもと、創意工夫で小さなチャレンジを続けてきました。

ふれあいサロン向け勉強会の『コロナ禍だけどできること 「オンラインツール講座」』、地域の方々の作品展示会である「ビシャバシャ花火アートキャラバン展」 、児童養護施設の子どもたちへのお菓子のプレゼント企画として「くるりプロジェクト」、地域協働マルシェ「Do曜日!」などです。

こういった取組は、「OUCHI」CAFE・KITCHENに通所してくださっている利用者さんや、「OUCHI」グループホームに住んでいらっしゃる方々にとっては、それぞれに関わりしろを見出し、何かしらのキッカケの場、楽しむための場、チャレンジの場になっています。

また、ここでの様々な方との出会いは縦にも横にも広がり、関わりを持ってくださった方の友人がさらにその友人を呼んでくださるなど、平日のカフェの客層もぐんと広がりました。

「OUCHI」スタッフのみなさん
「OUCHI」スタッフのみなさん

――「OUCHI」を今後どのようにしていきたいですか?

石坂さん  誰もが「OUCHIを知っている!」というそんな施設になっていきたいです。全ては「知る」ところから始まると思うんです。精神疾患のある方が望む在り方とは?彼らにとって生きやすい社会とは?関係性とは?という視点に立った取り組みを展開していくことが、結局は全ての人にとって、生きやすい地域や関わりやすいコミュニティづくりに繋がるんだと思っています。「この地域に暮らす“みんな”が幸せになる!」そういう未来を目指したいですね。

「OUCHI」のプロフィール

「OUCHI」のプロフィールは、以下の通りです。

ホームページ
https://ouchi.support/

オンラインショップ
https://ouchionlinestore.stores.jp/

営業時間(カフェ)
12:00-16:00

定休日(カフェ)
毎週土曜日、日曜日

住所
足立区西新井5-18-14