足立区梅田にあるアートコミュニティスペース「らんたん亭」運営メンバーで、「トネリライナーノーツ」アシスタントのしまいしほみが、同編集長の大島俊映と、時にはゆるく、時には熱く話を繰り広げるのが「しまいばなし」です。
第2話は、「対話・体験・表現をかけ合わせたワークショップ“寺子屋”」と題して、しまいが「らんたん亭」で担当しているワークショップ「寺子屋」について、その想いをお届けします。
なお、こちらの記事は、4/18に配信されたラジオを記事用に編集しました。
寺子屋の価値
――しーちゃんが、「寺子屋」の担当になった経緯は?
しまい デンマークで自分と見つめ合ったり様々な体験をしたことから、新しい発見があることってすごく面白いな、大人が学ぶ機会って人生において大切だなと感じたので、生涯学習や相互学習を日本でもやりたいなと思って、「寺子屋」に関わらせてもらうことになりました。
日本でもインプットができる場をつくるために、私の経験や感じたことをアウトプットしながら、「寺子屋」で学びの機会づくりをしています。そして、私自身も様々なワークショップによって学びを得ています。
――しーちゃんが思う「寺子屋」の1番の価値ってなに?
しまい 学校で先生から学ぶ一方的な授業ではなく、体験や対話を通して気付きを得て、自分の興味を発見できるところが価値なのかなと思います。
他者の感覚や表現、また、経験を聞いた時に、「そういう考え方があるんだ」とか「そんな世界があるんだ」とか、自分1人では見えなかった世界観に触れることができると思うんです。同時に「自分だったらどう考えるだろう?どう表現するだろう?」と、自分を見つめ直すことで、好き嫌いや得意不得意、自分の本音などに気付くことができれば、心に余白ができたり、情報過多なこの社会でも周りに流されずに自分を持っていられるひとつの強みになるのかなと。
――なるほど。熱いねぇ。
しまい 熱いですね(笑)それに加えて、「らんたん亭」の強みであるアートや表現のワークショップをする中で、私はアートには全く詳しくないので今まで気づかなかったんですが、「アートの可能性ってすごいのかも」と思うことがありました。
講師として振付師の方が来てくださって、“日常をダンスで表現する”というワークショップをしてくださったんですが、その時に男子高校生が1人参加してくれていたことが、私は少し不安でした。シャイだし、ダンスは苦手そうだし。でも、講師の方が、「このダンスに正解はないから、誰でもできる、大丈夫」と言ってみんなの動きをすごく褒めてくれるので、その高校生も表情が緩んで、どんどん色んなアイディアを出してくれたんです。
ダンスという表現の体験を通して、正解のない自分だけの答えを見つけ、人から認められることで自己肯定感が上がったんだろうなと感じました。
寺子屋の講師と参加者
――「寺子屋」の講師ってどういう人が多いの?
しまい アート関係では、足立区で活動されている美術活動家の“スズキミさん”や、音楽大学で作曲を学ばれている方、建築家の方などが講師として来てくださりました。アート以外だと、大学教授を講師としてお招きして、“やりたいことに没頭して自己実現をした冒険家”の話をしてくださり、自分の夢を大切にして自分らしく生きるためのヒントを探すワークショップをしてくれました。
――おもしろそうだね。これからこういう講師を呼んでみたいっていうのはある?
しまい アートだけに限らず、幅広い分野の方に来ていただきたいです。
――ちなみに寺子屋に参加する側の人は、どんな人に来てほしいと思う?
しまい 自分の好きなことがわからない人、何か環境を変えたいと思っている人など、迷っている方には特に良いんじゃないかと思います。単に誰かと話したい人や、創るのが好きという方も大歓迎です。
――4月にも寺子屋が開催されたの?
しまい 4月に行われた「草木染めワークショップ」では、荒川でよもぎを摘んだあと、染めの原理や方法を学びながら実際にコースターを染め、色止め剤で模様付けをしました。学生だけでなく、服飾関係のお仕事を長年されていた方、雪染めの経験がある方など幅広い経歴の方が参加してくださりました。「寺子屋」がきっかけで、何か新しい気づきや発見があれば嬉しいです。
らんたん亭
住所
足立区梅田4丁目12-14
ホームページ
https://rantantei21.wixsite.com/rantan
編集=しまいしほみ(トネリライナーノーツ アシスタント)
トネリライナーノーツ記事
https://tonerilinernotes.com/tag/shimai/