Team NIGIRIMUSUBI Gift vol.9 「たべるば」川野礼さん

Team NIGIRIMUSUBI Giftにぎりむすびギフト

地域の子どもたちへの食事支援プロジェクト「にぎりむすびギフト」では、足立区東伊興のおにぎり屋「にぎりむすび」の栄養満点のお弁当を、地域の子ども団体(NPO法人や子ども食堂)を通じて、それを必要としている子どもたちに無料で継続して届けています。この連載は、「にぎりむすびギフト」に関わる人たちの物語を描く「Team NIGIRIMUSUBI Gift」です。

今回のvol.9では、足立区西新井にある「ギャラクシティ」を拠点に活動する子ども食堂「たべるば」女将の川野礼さんを取材しました。「たべるば」は「にぎりむすびギフト」において、子どもたちに食事を届ける“ランナー”の役割を担っています。聞き手は、「にぎりむすびギフト」アシスタントで、大学生の林美紗希が務めます。
(取材日:2022年10月6日)

「にぎりむすびギフト」についてはこちら

「たべるば」女将の川野礼さん(右)と取材者の林美紗希
「たべるば」女将の川野礼さん(右)と取材者の林美紗希

「たべるば」女将の川野礼さん

東京都多摩市出身。愛称は「あやさん」。
大学卒業後に一般企業で人事の仕事に従事した後に、足立区で活動するNPO法人に転職、2018年には足立区西新井にある「ギャラクシティ」を拠点にした子ども食堂「たべるば」を立ち上げる。
その後、「たべるば」内でのお弁当プロジェクトや「にぎりむすびギフト」など、活動の幅を広げていく。
今春、「たべるば」の新たな拠点となる「たべるばハウス」を足立区島根に設立。自宅に居場所のない子どもや被虐待児童たちの拠り所として、運営をスタートさせている。

「にぎりむすび」のある「コミュニティKoenてらまちハウス」で取材しました
「にぎりむすび」のある「コミュニティKoenてらまちハウス」で取材しました

「たべるば」の原点

――ボランティア活動を始めようと思ったキッカケはなんですか?

あやさん 元々は足立区で中高生向けの居場所を兼ねた学習支援施設っていうのをやっている団体に勤務していて、そこで働いていく中で、中高生が抱えている悩みや課題に対して、自分でも何かできないかと思ったのがキッカケかな。

――そこの団体に入ろうと思ったキッカケも聞いていいですか?

あやさん 色々と理由はあるけれど、私自身、母子家庭で育ったことが大きいかな。そんな中で、大学に行けて、就職もできて。自分の人生を振り返った時に、親以外のサポートがありふれていた事に気付いたから、足立区で支援施設ができるってなった時に手を挙げたよ。

「たべるば」の原点について話すあやさん

――その施設での経験から「たべるば」があるんですね。

あやさん そこの施設は無償の塾みたいな形で学習支援が主だったんだけど、子どもが勉強に向かうって、結構難しいなと思っていて。中々勉強の気分にならない日もあるしね。でも、みんなとご飯を食べて、お腹がいっぱいになったら、ちょっと頑張れるかなって前向きな瞬間が来る事もあるって気付いて。その経験から、食べるって面白いな。自分でもやってみたいなって。

「たべるば」の活動内容

――たべるばでの具体的な活動はどんなことをされているんですか?

あやさん ベースは子ども食堂で、月に1度は足立区西新井の「ギャラクシティ」で40人程度の大規模な子ども食堂を開催していて、それとは別で、招待制の10人程度の小規模な子ども食堂を定期的に開催しているよ。

――大規模と小規模で分けている理由はあるんですか?

あやさん 大規模の方は「誰でも来て良いですよ」っていう感じだから、開催の情報を得たお母さんから申込みをもらっているかな。小規模の方は、その中でも「ちょっと心配だな」っていう部分が多い子どもを対象に招待しているイメージ。

「たべるば」の活動を掘り下げていく
「たべるば」の活動を掘り下げていく

――「誰でも来て良い」と言われても中々行きづらい人がいらっしゃるんじゃないですか?

あやさん やっぱりそういうイメージはあるよね。けど困っているって人それぞれで、お金に困っているだけじゃなくて、子育てに疲れたとか誰かと話して共有したいとか。そんな悩みを抱えている人ってたくさんいると思うんだよね。けど、いざ困った時にSOSを出すのってとても難しいことだと思うから、その前から繋がっておくっていう使い方をしてくれたら嬉しいな。

「にぎりむすびギフト」との出会い

――「たべるば」には、「にぎりむすびギフト」のお届けもしていただいていますが、どんな子どもたちに届けているんですか?

あやさん さっき子ども食堂の話をしたと思うんだけど、どうしてもそこに来られない子どももいて。そういった、外に出られない子どもたちに届けているよ。

――そんな子どもたちに「にぎりむすびギフト」が届いていたんですね。

あやさん 子ども食堂に来られない子がいる、って知った時に、お弁当なら届けられる!って思って、お弁当プロジェクトっていうのを「たべるば」で立ち上げてみたんだけど、すごく成果があったんだよね。やっぱり、家に出向くと、その家庭の様子が見えてきたりするから。だから、「にぎりむすびギフト」でも、「たべるば」はそんなやり方で活動しているよ。

自らの活動を熱くお話してくれました
自らの活動を熱くお話してくれました

――「にぎりむすびギフト」が、そこまで重要な役目を果たしているとは思いもよりませんでした。

あやさん この前もね、かわいい出来事があったよ。ちょっと配達の時間が遅れちゃったんだけど、そうしたら、届け先の子どもに「もぅ〜おそいよ〜」って言われちゃって。楽しみに待っててくれたんだなと思ったら、かわいいし、すごい嬉しいなって思ったね。これからも、「にぎりむすびギフト」を継続していければいいなと思っているよ。

「にぎりむすびギフト」について、あやさんのコメント

「にぎりむすびギフトができてから、「たべるば」は、食事を作ってくれるお店やお金の事をあまり気にせず、子どもたちに食事を届けるのに集中できるようになりました。大人の都合でやめる訳にもいかないし、これからも待っている子どもたちがいる限り、食事を届け続けられるように頑張っていきたいと思います」

たべるば
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「Team NIGIRIMUSUBI Gift」取材者の林美紗希
「Team NIGIRIMUSUBI Gift」取材者の林美紗希

取材=林美紗希(にぎりむすびギフト アシスタント)
トネリライナーノーツ記事
https://tonerilinernotes.com/tag/misaki/

撮影=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
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