「トネリライナーノーツ」編集長である大島俊映が、地域コミュニティへの想いや地域活動の裏側を描く連載が「編集長は話が長く、書くのが遅い」です。
第5話では、「特別な「沿線グラス」が爆誕!?『ガチアダチ』の予算は“ダチコラボ”のクラファンで!」をテーマに、遅々と進まない筆でお届けします。本当は飲み会で聞いてほしいです。
『ガチアダチ』特設ページ
https://tonerilinernotes.com/gachi-adachi/
『ガチアダチ』のチャレンジをコツコツと進める“コツアダチ”について前回の記事で書いたが、それを今日まで3ヶ月以上続けてきた。制作面では『ガチアダチ』の取材を兼ねた「ガチアダチ ラジオ」で30人以上の収録を済ませて、取材は今もなお継続中だ。また、『ガチアダチ』の受け皿となる“地域を超応援している人のコミュニティ”を作るために、毎月第3日曜に北千住駅近くの古民家カフェで開催の定期イベント「オオシマナイト」を立ち上げた。
そんな中、今回の記事では『ガチアダチ』の制作における予算面について伝えていきたいと思う。前回の記事の最後に記した足立区江北にある印刷会社「安心堂」代表の丸山有子さんとの“ある打ち合わせ”が、この物語のプロローグである。
ミッション!『ガチアダチ』制作の予算を作るべし
話は遡って、昨年12月。『ガチアダチ』のチャレンジ発表前後に、制作の予算をどうしようと考えていたのか、私の心の声を包み隠さずにお伝えしよう。
※参照はこちらの記事
①チャレンジ発表前
「たぶん、予算は300万円ぐらいだろうな。誌面広告と『ガチアダチ』のクラファンで集められるかな」
②チャレンジ発表直後の「伊勢出版」との打ち合わせ後
「あちゃー、予算500万円以上か。しかも、追加でもっとかかりそう。誌面広告をしっかり集めないとダメかぁ」
③メンターにチャレンジの相談後
「そっか、始めたばかりのプロジェクトでまだ信用がないよな。誌面広告で集めるのはムリゲーじゃん」
現時点では「誌面広告」は売れる見込みがないし(雑誌の完成間際には営業します)、『ガチアダチ』のクラファンをやっても目標となる金額分の信用をまだ獲得してない。さて、どうするか。そんな時に出会ったのが、こんな言葉だ。
借金返済の裏技なんて無いです。
借金返済の基本戦略は『焼け石に水』です。
西野亮廣が何千万、何億という借金をどうやって返済し、事業を回しているか? ほとんどの人は「借金の返し方」がヘタすぎる!―2023年ランキング1位『夢と金』の持続力
ぜひ引用元の記事も読んでほしい。今回の場合は借金ではなく予算作りだけれど、スタンスは一緒である。博打による一攫千金も、鮮やかな裏技も、ない。地道にコツコツと予算を作るだけ。
そうなのだ、『ガチアダチ』の取材と同じように、予算作りも“コツアダチ”しかないのだ。
“コツアダチ”戦略でいくのは決めた。それでは、なにを売っていくか。ほどなくして、思いつく。
「今こそ、“ダチアダチ(地域の友人たち)”に応援してもらう時だ!“ダチコラボ(友人たちとのコラボ)”で『ガチアダチ』のグッズを作ろう!!」
前置きが長くなったけれど、こうして物語のプロローグとなる「安心堂」の丸山さんとの打ち合わせに至った。
“ダチコラボ”の結晶!「沿線グラス×ガチアダチ」
丸山さんが代表を務める「安心堂」のオリジナル商品と言えば、「沿線グラス」である。コロナ禍に本格的な販売をスタートさせると、Facebookで約2万人がフォローしているグループ「足立区いいねっ‼」でバズり、足立区では一躍有名な商品となった。「沿線グラス」はその言葉通り、グラスに沿線の駅名がデザインされていて、地元を繋ぐコミュニケーショングッズとして愛されている。
※参照はこちらの記事
デザインのかわいらしさはもちろんのこと、特に割りもののお酒を作る時などは駅名が目盛りのような役割を果たしてくれるので、実用的でもある。私も「日暮里舎人ライナーver. あだちの駅」を愛用していて、飲み過ぎの防止に一躍を買っている。
実を言うと、今回の機会を得る前からメディア名に沿線の名前が入っているし「トネリライナーノーツの沿線グラスがほしいなぁ」とずっと思っていた。
だから、『ガチアダチ』のグッズを作ろうと思った時に、「沿線グラス」が真っ先に思い浮かんだのは自然な流れ。自分がほしいものを作ってお届けする、それが最も熱が入る。
件の打ち合わせで、丸山さんに「沿線グラス×ガチアダチ」という形でクラファンをしたいと相談したところ、嬉しいことにめちゃくちゃ快諾!そこから、細部を詰めていった。
また、せっかく「沿線グラス」を作らせてもらえるのだから、自分のテンションが1番アガるデザインのものをと考えて、「トネリライナーノーツ」や私が代表を務める「ゼンガクジ フリー コーヒー」のビジュアルでお世話になっているデザインチーム「想造楽工」主宰のYorikoさんにお声がけ、ここに夢の座組が誕生した。
特別な「沿線グラス」を作る手はずは整った。ここからの私の役割は、まずはクラファンで目標金額を突破させて、制作への号砲を鳴らすことだ。
『ガチアダチ』のコラボグッズをクラファンで届ける理由
クラウドファンディング最大手企業の「CAMPFIRE」の世界観が、私は本当に好きだ。「CAMPFIRE」の登場によって、社会にどんな変化をもたらしたかと言えば、“挑戦が民主化”された。かみ砕いて伝えると、地域で活動する名もなき挑戦者でも、クラファンを活用すれば、資金を支援してもらいつつ、応援者(ファン)と繋がれるようになったのだ。
約3年前に、私は足立区の子どもへの食事支援プロジェクト「にぎりむすびギフト」のクラウドファンディングにチャレンジして、それをより実感できた。そのクラファンでは、200名の方から1,327食分(支援金額は1,549,530円)の支援を受けたが、現在までに無料で子どもたちに届けた食事の累計は6,836食(2024年5月末時点)に達していて、今でも毎月200食弱を継続して届けられている。それはひとえに、応援者に伴走してもらえた結果だと思う。
「SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)」のガチサポーターである私は、この30年間以上の日本サッカーを体感してきて、「応援(ポジティブなコミュニケーション)」には大きなパワーがあると信じている。そして、「トネリライナーノーツ」がビジョンとしている“応援が循環する地域”がつくれたら、社会がポジティブになっていくとも。
だから、地域で活動する名もなき挑戦者として、地域の100人以上との繋がりで作る“応援”をテーマとした雑誌『ガチアダチ』の商業出版という大きな壁に立ち向かっているし、“ダチコラボ”で「沿線グラス×ガチアダチ」をクラファンで届けるのだ。クラファンの支援のお金には“体温”が宿る。応援者たちの熱。支援総額の金額は、単なる数字では、ない。
私たちは、もちろん資金も必要としているけれど、熱を持っているアナタという応援者と繋がりたい。
『ガチアダチ』が完成して、全国の本屋に並んだら、この特別な「沿線グラス」でアナタと一緒に乾杯したい。その時のハイボールのウイスキーは、“谷在家”まで淹れるね。
「沿線グラス×ガチアダチ」のクラファンページ
CAMPFIRE
文=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
トネリライナーノーツ記事
https://tonerilinernotes.com/tag/oshima/