足立区六町にある「からあげ原人 足立六町店」をご紹介します。この連載は、「トネリライナーノーツ」サポーターズのメンバーが、日暮里舎人ライナー地域を中心とした足立区・荒川区の飲食店の中で、個人的にオススメのお店を紹介する「グルメライナーノーツ」です。
vol.8となる今回は、荒川区を拠点として、東日本大震災の被災地である南三陸に、心の復興支援となる演劇を届け続けている演劇集団「ごきげん一家」の浅川芳恵さんが紹介者をつとめます。
※「からあげ原人 足立六町店」の最寄り駅は、「六町駅」です。
(取材日:2021年8月5日)
フランチャイズのお店と“たなにん”
グルメライナーノーツをご覧のみなさん、こんにちは。浅川芳恵と申します。司会をしたり、ごきげん一家という団体で、被災地に演劇を届ける活動をしたりしています。どうぞよろしくお願いいたします。
「フランチャイズのお店」って、どんなイメージがありますか?誰がやっても、どこの店舗でも、同じ味が楽しめる。という安定感と同時に「誰がやっても=誰でもいいんでしょ?」みたいな、ネガティブなバイアスがかかってしまっていることってないでしょうか?
私は正直ありました。だからなんとなく、個人店というだけで魅力的に見えたりするし、チェーン店というだけで、ちょっと「格下」みたいな。
今回ご紹介したい「からあげ原人 足立六町店(足立区保塚町)」は、今年オープンしたばかりの、フランチャイズのからあげ専門店です。社長は田中信太郎さん、46歳。田中社長は、日頃、飲食店の仲介のお仕事をしていたり、ホテルの経営をしていたり、おおざっぱな表現だけれど、「すごいね」みたいな人で、私は彼のことを「たなにん」と呼んでいます。
元々は私のパートナーの仕事仲間で、私がパートナーと共にやっている「ごきげん一家」の公演に、ご家族で何度も足を運んでくださって、そのうちに一緒に飲みに行ったりするようになりました。
「からあげ原人六町店」に初めて足を運んだのは、その「たなにん」がからあげ屋さんを新たにオープンさせたというからです。ぶっちゃけ、普通に美味しいからあげはスーパーでだって買えるし、冷凍のからあげだって優秀だし、からあげ専門店なるものも、今はたくさんあるのです。
でもね。応援したかったのです。大切なお友達のひとりなので。
そして、今回、たなにん…もとい、「田中社長」にインタビューをさせてもらう機会に恵まれました。
「なんでからあげ屋さんをやろうと思ったの?なんで「からあげ原人」なの?(浅川さん)」
「前からなんか飲食店やりたいなと思ってて。家の近くで」(足立区に住んでるんだ!)
「安定してお金が入る仕事がやりたくて」(たしかにそれ大事)
「コロナでホテルとかぜんぜんだめで」(前述のとおりホテル経営もしている)
「あんまり流行り廃りのないものがいいなと思ってて」(うんうん。それでそれで?)
「オペレーションがなるべく簡単で」(めっちゃ現実的!)
これら全部、田中社長の言葉です。なんかさぁ。なんだかさぁ。「わかるわかる」って感じしませんか?
「やりたいことだけやる」という無鉄砲なのとも違うし、「お金が稼げればなんでもいい」というのとも違う。夢と現実という両方をバランスよくつかみ取る感じが、すごくいいなと思いました。
実際にお店をはじめてみたら、180℃のフライヤーで揚げ続ける店内は「2台のエアコンに扇風機をフル稼働させても全く効かない!暑い!!」とか、「家に帰るといつも子供に「からあげのにおいがする!」って言われる」とか。不満の言葉も出てくるけど、田中社長の声はどことなくちょっと楽しそうです。
「からあげ原人」にしたのは、フランチャイズのからあげ専門店を食べ歩いて「ここのからあげが美味しい」と思ったからですって。それに、「からあげ原人」の創設に携わったおひとりとは20年来の付き合いで、以前から一緒に組みたいと思っていたことも決め手になったのだそう。
「仲がいい人のところじゃないと。トラブルになったりしても嫌だし」
これまでに築いてきた信頼関係があってこその言葉だと思いました。そして、誠実に店舗を運営することへの田中社長の覚悟も見える気がしました。
田中社長が語る「からあげ原人」の強み
「結構、からあげ屋さん、今、いっぱいあるでしょ…」「だから、他のからあげ屋と比べると何が違うのっていうと…」「そんなにないかもしれないけど…」と、超絶正直に言っちゃうところも、田中社長の魅力のひとつなんだなぁって感じがします。でも、その中でも強みを語るとするならば?と聞いてみたら、ちゃんと話してくれました。
からあげ原人のからあげの特徴は、
①しっかり目の味付けで、食感はカラッと美味しい!
②冷めてもカラッと美味しい!
③翌日温めてもカラっと美味しい!
とにかくカラっとしているのです!カラっと!!翌日もカラッと!!!テクノロジーを味方につけて、電波振動により美味しくカラっと揚がる秘密の機械が全店舗に導入されているそうです。すごいな「からあげ原人」!
そして、スタンダードな3種(醤油・塩・しょうが)に加えて、季節限定のお味など、いろんな味付けのからあげが楽しめるというのも、ワクワクしたポイント。迷う楽しみも、選ぶ楽しさも、味わえる!ちなみに、田中社長が1番好きな味は、「醬油味」です。
田中社長がからあげを通して見ている景色
今回の取材で印象に残っているのが「子どもとかがまた食べたいなって思ってくれたら、それが一番うれしい」という田中社長の言葉です。
お父さんやお母さん、もしかしたら、おじいちゃんとかおばあちゃんとかかもしれない。家族の誰かが買って帰った「からあげ」を、家族で食べる。美味しいねって笑顔になって、ちびっこが「また食べたい!」ってなる。
一児のパパでもある田中社長は、そんな景色を見ているのだろうなぁって感じました。
インタビューのあとは、店内におじゃまして厨房の見学もさせていただきました。本当に暑い。すごく暑い。笑顔で迎えて下さった店員さんたちにも感謝です。そして、もちろんからあげもオーダー。テイクアウトのみのお店だけど、待ちきれなくて、お店を出て即食べました(笑)。
美味しい!カラっと!!普通に!!美味しい!!!
揚げたてのからあげをふーふーして食べながら「自分が“このからあげ美味しいな”と思った直感を信じている」って言っていた田中社長を思い出していました。自分に対しての信頼感が、田中社長自身を支える力なんだろうなって思ったし、そういう人が社長のお店は、フランチャイズだろうがなんだろうが、なんかいいじゃん!素敵じゃん!!って思いました。
冒頭に書いた「フランチャイズって…」というイメージ。私はすっかり書き換えられました。そして、そういう色眼鏡で世界を見ていると、大切なことを見落としちゃったりするよねってことにも気づいたりして。
ありがとう!からあげ原人。ありがとう!田中社長。
からあげ原人六町店は、今日もカラッと美味しいからあげと笑顔をつくりだしているはず。小さめのかわいいのれんがかかったオレンジ色のお店。どうぞごひいきに。
からあげ原人 足立六町店
住所
東京都足立区保塚町12-17 勇栄ハイツ101
ホームページ(からあげ原人)
https://karaage-genjin.com/
文・取材=浅川芳恵(トネリライナーノーツ サポーターズ)
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撮影=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
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