「やわらかアートアカデミー」足立区の子ども向けアートイベント・教室【ダチアダチ dachi.20】

ダチアダチ

ダチアダチ」は、足立区・荒川区の物語を届けるメディア「トネリライナーノーツ」が応援する企業や団体を紹介する企画です。

「やわらかアートアカデミー」代表の鈴木公子さん
「やわらかアートアカデミー」代表の鈴木公子さん

dachi.20では、足立区を拠点に活動する子ども向けアートイベント・教室「やわらかアートアカデミー」を紹介します。

やわらかアートアカデミー

「やわらかアートアカデミー」は、足立区内の各所で子ども向けの絵画レッスンやアートイベントなどを行っています。

子どもたちがアートを制作する様子
子どもたちがアートを制作する様子

子どもたちに五感を使ってもらったり、子どもたちを尊重したりして、アートを通して自己肯定感を育む事を目指しています。

展示された子どもたちが制作したアート作品
展示された子どもたちが制作したアート作品

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やわらかアートアカデミー」のストーリー

「やわらかアートアカデミー」に関する質問に、代表の“スズキミ”こと鈴木公子さんが回答します。

「やわらかアートアカデミー」代表の鈴木公子さん
「やわらかアートアカデミー」代表の鈴木公子さん

――どんな想いから「やわらかアートアカデミー」が始まりましたか?

スズキミさん 私が高校2年生の頃、美術の授業で昔の日本画をトレッシングペーパーで線をなぞって、それに色を綺麗に塗るという授業がありました。綺麗にはみ出さずに色を塗れた人が良い点数をもらえるということに対して、私はすごく残念で「これって美術なのかな?アートなのかな?」という疑問が湧きモヤモヤしていました。アートはもっとクリエイティブであるべきだし、魂が震えるような創造的なものであるべきだなと思うので、「美術の授業を変えたいな、アートの先生になりたいな」と思ったことが原点だと思います。

私が出会った子どもたちだけでも“本物のアート”を伝えられたら良いなと思って、教員採用試験を受けました。けれど、試験には受からなかったので、おもちゃ会社に入社しました。その間も、自分だったらどんなアートレッスンをするかのシミュレーションをしながら過ごしていました。

その後、小学校で描く絵画は構図とか色合いがみんな似通っていて、「同じ作家が40枚描いたんじゃないか」と思わせるような絵が教室の前に並んでいるという光景を知りました。「やわらかアートアカデミー」を始めたのは、子どもたちにとって地域の中で“思いっきり何も気にせず、何にも導かれず、自由に創作できる場”が必要なんじゃないかなと思ったからです。

アート制作に集中している子ども
アート制作に集中している子ども

――「やわらかアートアカデミー」が大切にしている事はありますか?

スズキミさん レッスンについては3つ大切にしてることがあります。1つ目は、楽しいこと。これは大前提なんですが、楽しい雰囲気を作り、そして、私自身も楽しむ。楽しいということは、心を解放するのでクリエイティブも乗ってくるんです。

2つ目は、五感をしっかり使うこと。今はパソコンで絵を描けたり、スマホの写真を見て絵を描けたりできます。けれど、「やわらかアートアカデミー」では、本物のなにかを見て、触って、叩いて、音を聞いて、匂いを嗅いで、食べて、味まで確認して、自分の五感をフルに活かして、アートにしていこうと思っています。五感を通したかどうかで、作品の魂が違いますし、リアリティにも繋がっていきます。今の時代の人が忘れがちな五感を、アートで呼び覚まして、感覚が研ぎ澄まされていったらいいなと思っています。

足立区梅島にある「maruca coffee」にて開催された、個展「Painting Pain」
足立区梅島にある「maruca coffee」にて開催された、スズキミさんの個展「Painting Pain」

3つ目が、自由であること。子どもたちは普段の生活で「これをやっちゃダメ、あれをやっちゃダメ」とやってはいけないことが多い中、「この紙の中でだけは、何をやってもいいんだよ」という時間を楽しんでもらいたいなと思っています。なので、まわりの大人は口出しをしてはいけないなと思うし、私はアドバイスはするけど、「これはアドバイスだから、全部自分で決めていいよ」と言います。子供たちは、ノッてくると大人の話なんか聞かないで、自分で自由に描いてくれるのですごいなって思っています。

この3つがレッスンで大切にしてることですが、私の中にも1つ大事にしてることがあります。それは、「子どもの話を聞く」ということです。子どもは聞いてもらうことで安心して、心を開いていき、承認欲求も満たされていき、自己肯定感にも繋がっていきます。なので、安心して良い状態で絵を描いて、「今日はなんか良かったな」という気持ちで家に帰ってもらって、そのエネルギーで家でも過ごしてもらえたらいいなと思っています。

イベント時の様子
イベント時の様子

――どんな仲間と「やわらかアートアカデミー」の活動を行っていますか?

スズキミさん 一見ソロでの活動に見えますが、実は私の他に3名の仲間がいます。みんな子どもがいるママで、デザイン系やアート系のクリエイティブなママたちです。

主に「畑でアート」というイベントを手伝ってくれていて、旬の作物に合わせてどんなアートにしようか企画会議をしたり、当日手伝いに来られる方はお子さんのサポートや写真撮影をしてもらっています。私にとって、とても大切な仲間です。

――どんな人と繋がると「やわらかアートアカデミー」の活動が前進しますか?

スズキミさん 「やわらかアートアカデミー」の活動は、レッスン、イベント、展示の3つの軸があり、基本的にコンテンツや中身を提供できるので、開催する場を持っている方と繋がると、活動が前進するかなと思います。「こういうイベントのコンテンツを探してる」や、「こんなレッスンやってもらえたらいいな」と考えている方、「こんなの飾りたいな、こんな展示できないかな」など、アートを求めている場所をお持ちの方と繋がりたいです。

「デッサンcafe」の様子
デッサンcafeの様子

――「やわらかアートアカデミー」のこれまでの実績があれば教えてもらえますか?

スズキミさん 足立区西新井にある「Lotus Table Labo」でのレッスンや、足立区関原にある「子育てカフェ eatoco」でデッサンcafeは毎月開催していますし、プライベートレッスンも行っています。

それに加えて、足立区のキッズパフォーマンス集団「ほしかぜ」とのコラボレーション、足立区伊興本町にある「こそだて図書館」でのビシャバシャアートのイベント、足立区の児童養護施設「クリスマス・ヴィレッジ」での子どもたちとフィンガーペインティング、足立区西新井にある就労継続支援B型カフェ「OUCHI」でのアートの展示、足立区伊興の「にしいこう子どもひろば」とのアートイベントなど、地域活動をしているみなさんとレッスンやイベントをやってきました。最近だと、足立区の地域学習センター企画のアートレッスンに講師で呼んでもらうこともあります。

「OUCHI」でのアートの展示
「OUCHI」でのアートの展示

――「やわらかアートアカデミー」を今後どのようにしていきたいですか?

スズキミさん 今後も、レッスン・イベント・展示は継続して、じわじわと規模も拡大できたらいいなと思っています。

それと1つやってみたいことは、子どもの個展のサポートです。個展をやる際に、テーマを1つ決めて、自分で世界観を作って、メッセージを載せて発信する。そこからDMも作って、それを配って、お客さんに来てもらう。そして、その場で感想をもらう。そんな体験はトータルプロデュースをする力にもなりますし、自分の自信にも繋がりますし、すごく良いんじゃないかなと思うんです。子どもが個展をすることはなかなかないと思うので、そのチャンスを提供できたらいいなと思っています。

「やわらかアートアカデミー」のプロフィール

「やわらかアートアカデミー」のプロフィールは、以下の通りです。

やわらかアートアカデミー
ホームページ
https://sites.google.com/view/yawarakaart/