足立区東伊興にあるおにぎり屋「にぎりむすび」に関わる女性たち「にぎり娘」が、地域で活動している方の拠点にお邪魔して、その方との対談で物語を紐解く連載が「にぎり娘が行く!」です。
第5回のゲストは、足立区島根にある保育用の備品や教材具・運動遊具を取り扱うメーカー「マスセット株式会社」の神崎淳さん。対談ホストは「あだち子ども食堂 たべるば」女将で「にぎり娘」の川野礼さんが、司会はトネリライナーノーツ編集長の大島俊映が務めます。
(対談日:2021年5月27日)
神崎淳さん(以下、神崎さん)は、保育関係の製品を扱っているメーカー「マスセット株式会社」で、国際部の社員として主に、海外で製造している製品の輸入や、海外の工場とのやり取りを行っています。また、部署を越えて、自社製品の開発や、国内での仕入れに携わったりもしています。足立区島根にある「マスセット株式会社」の本社内のフリースペースをお借りして、にぎり娘の川野礼さん(以下、川野さん)が、神崎さんにお話を伺いました。
新しい風を吹かせてくれるなと思って、すごい嬉しかった(川野さん)
――2人のご縁のキッカケってなんですか?
神崎さん 会社の同僚と2人だけで飲む機会があって、その時に「子ども食堂って、どうなんだろうね」とか「実際に自分たちが何もした事がないと、どうこうって言えないよね」とかを話したんです。それで、その同僚が地域の子ども食堂を調べてくれて、川野さんのたべるばにボランティアで行く事になったのが最初ですね。
川野さん 神崎さん達が、たべるばのボランティアに問い合わせてくれた時の事はよく覚えています。男性で会社員、ご自身にもお子さんがいて子育てをしているという事で、これまでにない属性の方が新しい風を吹かせてくれるなと思って、すごい嬉しかったんです。
――神崎さんは、たべるばのボランティアに参加されてみて、いかがでしたか?
神崎さん やっぱり、場違い感はあります(笑)女性と子どもが多くて、学生の若い男の子ならば溶け込めるかもしれませんが、そこに40オーバーの男2人ですからね。ただ、最初は戸惑いましたけれど、やるしかないわけで。行く回数が2回、3回と増えていくうちに、子どもたちも受け入れてくれたのか、「あいつ、また来た!」みたいな感じで表情が変わっていくのは感じました。
川野さん 戸惑っているとは思わなかったです。そこから、ずっと続けてくれていますね。
神崎さん なんで続けているかというと、「自分の子どもさえ幸せだったら、それでいいのか?いや、そうではない!」っていう根本的な想いがあるからなんです。自分の子どもを見れば、安全で健康に育っていますけど、片やそうではない子がいる。そんな時に、大した事はできないにせよ、その子たちのために自分の時間であれば使えるなと思って。
川野さん たべるばというか、子ども食堂にアクセスしてくれる方っていうのは、子どもとか福祉とか教育関連の方が多くて、マスセットさんも当時初めて知って調べたら保育関係のメーカーだったので、親近感を持ってくださってるのかなと思っていました。それと、同じ会社の方が2人で来たので、商品の宣伝の一環なのかなとも(笑)
神崎さん 仕事に活かそうというか、子どもたちが遊んでいる場を実際にちょっと見てみたいとは思っていました。一緒に遊ぶ中で、肌で感じる事や次に作る製品に活かせる事があるかなとは。例えば、割箸で作ったゴム鉄砲で子どもたちが遊んでいたんですけど、ものすごく楽しそうで。
川野さん 大人気でしたね!ボランティアスタッフのおばあちゃんたちの知恵で作ったやつ。
神崎さん 「これ、そんなに楽しいんだ!」というのが、僕にとってはひらめきでした。ゴムをそのまま使うと安全面から保育園では使えないかもしれないので、別のなにかに変えてという風に考えて。これを商品として作るかはまだ分からないですけどね。
働いていく中で自分の視野や視点が変わっていく(神崎さん)
――地元は大阪だったと対談前に伺いましたが、少年時代はどんな子どもでしたか?
神崎さん ワガママでしたね、本当にやりたい放題で。姉が2人いて、家族からは甘やかされていたんだと思います。転機は高校生の時に、アメリカに1年間留学した事かもしれません。1人になって、ゼロから自分のポジションを作らないといけなかったので。
川野さん 知らなかったです。というか、今日聞いた事、ほとんど知らなかった(笑)
神崎さん 留学から戻ってきてからは、日本の大学に行って就活をして、繊維関係の会社に入りました。そこは日本法人なんですけど、海外にも拠点があって。インドとネパールに3年間行っていました。
川野さん 海外で働かれていたんですか、えー!
神崎さん その時に、取引先のあるアパレルメーカーの方と知り合って、一緒に仕事をしないかと誘われました。日本に帰る機会があったらと思っていたので、1度目の転職をしたんです。会社の拠点は渋谷区で、マスセットに転職をするまでは渋谷を出ませんでしたね。
――マスセットさんへの転職はいかがでしたか?
神崎さん この2度目の転職の時は、業界を問わずに見ていたので、マスセットを見つけたのは偶然でした。それで、初めて足立区に来たんですけど、その時の土地の印象が、「ちょっと(地元の)大阪っぽいな」と思いました(笑)
川野さん そうなんですね(笑)
神崎さん でも、マスセットに入ったのは、人生の中ですごく大きかったです。子どもたちの使うものをたくさん作っているわけですけど、うちの会社の社訓には「世界中の子どもたちに、高品質で良いものを届けよう」というようなのがあって、働いていく中で自分の視野や視点が変わっていくのを感じています。
――今の仕事のどのあたりが面白いですか?
神崎さん 日本にないものを、日本に輸入するっていう工程が大好きなんです。面白いなって。それは、子どもの時に、プレゼントで海外のものをもらうと「日本に売ってないし、なんかすごい格好良い!」っていう体験があったからだと思います。
川野さん 私も、たべるばは楽しいからやっていますけど、そういう気持ちって大事ですよね。
――そろそろお時間になりました。川野さん、最後に恒例の質問をお願いします。
川野さん 好きなおにぎりの具はなんですか?
神崎さん こんぶ!こんぶの料理はなんでも好きですし、味付け的には乾燥していて細切りの塩こんぶが1番好きですね。梅干しも迷いましたけれど、この対談に出ている方は、梅干しの方が多いので(笑)
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対談=川野礼(トネリライナーノーツ サポーターズ)
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