「麺屋 番」焦がし醤油が生む絆と暖簾の米粒 【グルメライナーノーツvol.3】

グルメライナーノーツ

日暮里舎人ライナー「見沼代親水公園駅」より徒歩21分の「麺屋 番」をご紹介します。この連載は、「トネリライナーノーツ」サポーターズのメンバーが、日暮里舎人ライナー地域を中心とした足立区・荒川区の飲食店の中で、個人的にオススメのお店を紹介する「グルメライナーノーツ」です。

vol.3となる今回は、足立区古千谷本町にある手織絨毯のメンテナンス・販売を行う会社「大成コーポレーション」の追分脩司さんが紹介者をつとめます。

ラーメンによる絆

「麺屋 番」の店先の暖簾
「麺屋 番」の店先の暖簾

「この店のラーメンは日本の宝だ!!」

そう叫んだ友人がいた。

見沼代親水公園駅から1.6km、徒歩で21分、自転車だと10〜15分。尾久橋通りを埼玉方面に行き、青競スポーツニュース社のある交差点を左折して数10m進むと川口市江戸袋というところに、おすすめしたいラーメン屋さんがある。

「麺屋 番」である。

僕が少林寺拳法の道場生だった頃、稽古終わりにみんなでよくラーメンを食べに行った。そのたびに道場生の絆が深まる感じがしてとても嬉しかったのを覚えている。

今、仕事の関係で知り合う人の中にラーメン好きがいたら、必ず、番に連れて行く。ラーメンはそういう絆を作るところだと思う。

麺屋 番の焦がし醤油(太)

番で一品だけ、おすすめのラーメンを紹介するとしたら「焦がし醤油(太)」だ。他ももちろん美味しい。しかし、このラーメンだけは別格だ。この焦がし醤油は、口に運ぶ前から美味しい。熟成した特製醤油をバーナーで炙り焦がし、かえしを入れる。さらにネギと油を加えて炙り、焦がす。店の中は煙と焦げた醤油のいい匂いでいっぱいだ。

ヨダレが出てくる。

「麺屋 番」の焦がし醤油(太)
「麺屋 番」の焦がし醤油(太)

さらに仕上げに揚げ玉ねぎを載せるのだが、これが焦がし醤油スープと相性抜群だ。 普段、スープだけになってしまった他のラーメンは寂しくて仕方ないのだが、この焦がし醤油のスープには揚げ玉ねぎが残っている(というか最後まで残す)。香ばしい焦がし醤油スープで浸し、ふわふわにした香ばしい揚げ玉ねぎを食べてみてほしい。

それと、チャーシューを忘れていた。こちらのお店ではチャーシューは七輪で炙られる。ちょっとだけ端が焦げるくらい炙る。美味しくないわけがない。

暖簾の米粒

僕が番に初めて番を訪れた時、お店に入る前に、暖簾がボロボロなのを見て確信した。この店は美味いと。暖簾がボロボロということはお客さんがよく入っているのを示している。

 特製醤油をバーナーで炙り焦がす
特製醤油をバーナーで炙り焦がす

江戸時代、美味い寿司屋の暖簾は米粒だらけだったのだとか。美味いと思った客が暖簾に米粒をくっつけて帰るからだという。常連が「ここの寿司は美味いよー」と道ゆく人に教えていたそうだ。流石に、番の暖簾には米粒はついていないが、リピーターが高頻度で来店するのだと思った。店がある江戸袋という場所は、住宅の他、町工場や倉庫の街である。家族連れや、作業着を来た人がよく来ていると思う。番は近隣のリピーターの胃袋をガッチリ掴んでいるのである。

番に初めて行った時から月日が流れた。今では暖簾が綺麗なものに取り替えられてしまったが、この記事が、麺屋 番の暖簾の米粒になったら幸いである。

麺屋 番
住所
埼玉県川口市江戸袋1-11-3

文=追分脩司(トネリライナーノーツ サポーターズ)
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グルメライナーノーツvol.3執筆者の追分脩司
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