“にぎりむすび”って、なんだ? 【ギリギリにぎりむすび 2口目】

ギリギリにぎりむすび

日暮里舎人ライナー「舎人駅」より徒歩圏内、東伊興の寺町の一角で、ママとベビー・キッズの「コミュニティKoen」代表の山本亜紀子さんが「ママとキッズのサードプレイス」という親子の居場所作りにチャレンジしています。そのプロジェクトが進む中、新たな物語が産声を上げました。物語の名は、“にぎりむすび”。

この連載は、トネリライナーノーツ編集長で、「ママとキッズのサードプレイス」プロジェクトにも関わる大島俊映が、「にぎりむすび」の物語を現在進行形でお届けするドキュメント「ギリギリにぎりむすび」です。2口目は「“にぎりむすび”って、なんだ?」をお届けします。

「ママとキッズのサードプレイス」についてはこちら

おにぎりの具は“たらこ”が好きな川野礼さん(左)と“明太子”が好きな山本亜紀子さん(右)
おにぎりの具は“たらこ”が好きな川野礼さん(左)と“明太子”が好きな山本亜紀子さん(右)

たらこ好きの“頑張り屋さん”

前回の1口目は読んでもらえただろうか。1口目の「ギリギリにぎりむすび」記事をアップする前のこと、“にぎりむすび”のメンバーに原稿を先に送ったところ、川野礼さん(以下、あやさん)から「何が始まるのかは読んでも全然分からないけど!笑」というメッセージが来た。

あやさん、もちろん自分でも気付いていたよ。でも、話を脱線させすぎて、“にぎりむすび”のことまで到達しなかったのさ。というか、あれ以上書くのはしんどいし。という想いを込めて「ブラッシュアップして記事にアップするね」と返信しておきながら、ほとんど直さずに記事にアップした大島です。今日もコメダ珈琲店よりお届けしています、こんにちは。いつも通り、お供は紅茶です。

この冒頭をあやさんが読んだら、怒るだろうか。なぜなら、あやさんから来た冒頭のメッセージは一言一句そのまま引用したのだが、前後の文脈をバッサリ切っているからだ。本当は褒めてくれているのに、せっかく褒めてくれているのに、意地悪な芸能記者みたいなことをやってしまった。あやさん、素直になれなくて、ごめん。僕は、褒められて伸びるタイプではないけれど、褒められないとやらないタイプです。

さて、話の本筋はここから。読者のみなさん、ここからです。あやさんは「あだち子ども食堂 たべるば」の女将(代表)で、足立区の子ども達の「孤食(独りで食事をすること)」や「固食(同じものばかり食べること)」の問題解決のために、日々活動する頑張り屋さんだ。あえて「頑張り屋さん」と形容したのは、他人とご縁を繋ぎ続けるために自分から行動するというバイタリティを持つ一方で、チャーミングだからだ。「“にぎりむすび”のメンバー間では、今後はタメ口を使おう」と僕が提案した時も、最も年下のあやさんが1番楽しそうに、はしゃいでいた。

振り返ってみると、僕があやさんと2年余り前にご縁をもらったのは家族と行った近所の寿司屋で、隣のテーブル席にたまたま僕の知人夫妻とあやさん夫妻が同席して食事していたのがキッカケだ。すぐに仲良くなって、僕が編集している全學寺フリーペーパーで、たべるばを取材した。そして、その日から、僕は知っている。あやさんの1番好きなおにぎりの具が、“たらこ”であることを。

「コミュニティKoen」の山本亜紀子さん(以下、あきさん)は、あやさんが無類のたらこ好きなのを知っているだろうか。もしかしたら、知らないかもしれない。けれど、あきさんはあやさんをとても頼りにしているし、仲が良い姉妹みたいだ。責任感の強い姉と頑張り屋の妹。あきさんの1番好きなおにぎりの具は、きっと“明太子”に違いない。(のちのやり取りで、好きな具は、“すじこ”と判明)

“にぎりむすび”が失敗して2人の仲が悪くならないように、それが僕の使命の1つでもある。いや、ホントよ、これ。

たらこ好きの頑張り屋さんは、たべるばのTシャツも似合う

クレープに負けないように

賢明な読者の方ならば、今回もここまで“にぎりむすび”のことを書いていないことにお気づきだろう。しかし、ご安心を。ここで物語は、1ヶ月半前の9月5日に飛ぶ。僕が舎人駅近くの居酒屋の「善(注1)」で、あきさんとあやさんに“にぎりむすび”を提案した運命の日、の“前日の夜”だ。

僕は家で、嫁の睦美(以下、むっちゃん)に「明日はサードプレイスの事業のことで、あきさんとあやさんと話すんだけど、おにぎりとクレープだったらどっちが良いと思う?」と問うた。

この時の僕の心理をお伝えしよう。自分の中で答えは決まっていた。ただ、嫁に背中をしてもらうことで自信を得たかったのだ。男性諸君、女の子とのデートでハンバーグとナポリタンのどちらが食べたいかを聞かれたことがあるだろうか。断言しておく、この時すでに女の子は答えを決めている。君は試されているのだ。だから、模範解答は「〇〇ちゃんはどっちが食べたい?」だ。間違っても、ハンバーグと言ってもいけないし、ナポリタンと言ってもいけない。女の子が食べたい方を当てられなければ、そこからは不毛な擦り合わせの時間に突入してしまう。というか、その2択ならば、洋食屋に行きなさい。どっちもあるから。

そんな訳で、迷わずに「クレープが食べたい」と返してくれた我が嫁よ、本当にすまない。僕はそこから、おにぎりの素晴らしさを必要以上に力説することになってしまった。ちゃんと全部聞いてくれた貴方には感謝しかない。そもそも、クレープとこの時に並べて言ったのは、まだ食べたことがない南三陸の大沼あかねさんのクレープへの憧れからだけなのだ(注2)。

そして、運命の日、善にて。前日に、おにぎりの良さをむっちゃん相手に力説した甲斐もあって、あきさんとあやさんには僕の考えや想いをきちんと伝えられたと思う。

安全・安心の美味しいおにぎりをサードプレイスで作って届けることが、地域の人たちのために意義があると考えていること。サードプレイスのおにぎりが、子育てママや子どもたちはもちろん、地域の人を繋げるパワーを持ちうると思っていること。そのおにぎりで、地域を応援したいという僕の想いも。その後の僕の提案で、サードプレイスで作るおにぎりは、「にぎりむすび」として、商品名や店名となる他、この連載名や連動したプロジェクト名などにも使われることになる。

さて、僕の長い話を聞いたあきさんとあやさんからの反応は、とても良かった。善の美味い料理も、進む、進む。たった1つの疑問を除いては。

「サードプレイスで働くママが現場に立つとして、誰が商品を考えるの?」

そうなのだ。あきさんもあやさんも、もちろん僕も、飲食店でのバイト経験はあっても、料理人ではない。ましてや、飲食事業の商品開発など、したこともない。

しかし、僕には身近に「にぎりむすび」の商品開発をお願いできる友人が1人だけいた。お寺の緑茶も飲み終わったので、その話はまた次回に。

注1)「善」についてはこちら

注2)南三陸の大沼あかねさんのクレープについてはこちら

▼にぎりむすび関連イベント
にぎりむすび交流会
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「ギリギリにぎりむすび」執筆者の大島俊映
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文=大島俊映(トネリライナーノーツ 編集長)
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